卒業生の活躍

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株式会社Ciamo 代表取締役社長 古賀 碧

焼酎粕で培養可能な光合成細菌を、大量に培養するためのキットの研究・開発・販売

「球磨焼酎の粕」で光合成細菌をたくさん増やすキットの開発をしている古賀さん

熊本県の特産品である「球磨焼酎の粕」を使って、光合成細菌という微生物をたくさん増やすキットの開発をしています。光合成細菌は馴染みがないかと思いますが、田んぼや水溜りなど私たちの身近にいる微生物です。納豆菌や乳酸菌と同じ仲間で、農業でよく使われています。この光合成細菌は高価なものなので、安価な焼酎粕を使って増やすことで、農家さんが手軽に使えるような商品にしています。

起業部で活動したリキュールの開発事業の経験から今のCiamoのビジネスが生まれた

大学に入学してからは、アルバイトやサークルに入ったりしていましたが、特に一生懸命になることがなく大学生活に少し不安を感じていました。そんなときに起業部という部活動ができて、面白さ半分と、ワクワクすることできそうという興味を持ちながら入部しました。入部してからは、友人と2人で「地方創生マーケティング事業」として、熊本県の地場資源(い草や球磨焼酎など)を発掘して商品化するというプロジェクトを立ち上げ活動しました。最初に取り組んだのが、「球磨焼酎リキュールの開発」でした。球磨焼酎蔵4社に協力していただき、商品化から販売を行いました。この活動を通して、焼酎蔵の方とお話する機会が増え「焼酎粕の処理」に困っていることを知りました。焼酎粕を処理するために費用がかかることをなんとかしたいと思い、大学の先生に相談したことで、「球磨焼酎粕を利用した光合成細菌の培養」について研究させてもらえることになりました。起業部で活動させてもらっていた、リキュールの開発事業がなければ今のビジネスは生まれていません。起業部で活動できたことに感謝しています。

 

Questuons and Answers

Question どんなタイミングで「起業しよう!」と思われたのですか?

起業部に入部したときには、起業しようとは思っていませんでした。起業部で活動する中で、自分たちでプロジェクトを立ち上げたり、商品を開発したものをビジネスプランコンテストで発表する機会があります。このコンテストを通して、審査員のアドバイスや夢を持つ起業を目指す学生との出会いによって、少しずつ起業を意識するようになりました。1番は、やはり私たちの商品を必要としてくれる農家さんがいてくれたことが起業のきっかけです。

Question 今、アントレプレナーシップ教育のどんなことが役に立っていますか?

先生方や経営者、研究者の方の話を聞く中で、就職することが当たり前だと思っていましたが、夢を叶える手段は様々あるのだと知るきっかけになりました。起業してからもいろんな問題が怒る中で、問題を解決するためには、様々なやり方があるということを知ることができました。先生方も親身になって相談に乗ってくださることも心強くありがたいです。

Question 起業を果たした今、次の目標や目指しているものはありますか?

起業のきっかけは、地元人吉球磨の力になることですので、焼酎粕の付加価値を高めて、「焼酎粕」を地元の宝にしていきたいと思っています。そのために、農業だけでなく、水産養殖へ向けた商品の開発を行っています。今後は、九州から全国、そして東南アジアへと事業を広げていきたいと思っています。

Question アントレプレナーシップ受講を検討している学生にメッセージをお願いします。

夢や目標がある人もない人も、是非受講いただけたらと思います。私自身もそうでしたが、この活動を通して、たくさんの仲間や応援してくれる人と出会うことができました。そして、球磨焼酎リキュールの開発販売をしたことで、現在の研究を始めるきっかけにもなりました。受講することで、本当に多くの発見や気づきがあります。是非、自分がワクワクするような発見を見つけてほしいなと思います。