PLAN
308
貝殻×微生物でヘドロ浄化と干潟再生
- チーム(学校名)
- BioTide(崇城大学)
プランの全体像
近年、底質環境の悪化により干潟がヘドロ化し、生息する底生生物の減少やアサリなど貝類の収穫量の低下が大きな問題となっている。また、ヘドロは流動性が低く、リンの固定化や脱窒作用により海域の栄養塩が減少し、海苔やワカメの色落ちの原因にもなっている。これらの課題に着目し、ヘドロを構成する高分子有機物を現場で低分子化することで泥に流動性を持たせて酸素や栄養塩の循環を高め、さらに貝殻・微生物(光合成細菌、乳酸菌など)で2段階目の水質改善を行い、水産資源の回復を実現するプランを提案する。この技術を開発することで、豊かな干潟の自然を少しずつ取り戻し水産資源の減少と底質環境の悪化を防ぎたいと考えている。
プランの着想のきっかけ
熊本県に位置する有明海は日本最大の干潟で、ラムサール条約に登録される生物多様性をもち、貝類や海苔の生産量が全国上位を占める豊かな海域である。しかし近年、ヘドロの蓄積など底質環境悪化により干潟に生息する生物が減少し、アサリの収穫量も年々減少して、2020年は収穫量がピークだった1983年のわずか3.4%であることが報告されている。また、栄養塩の不足で海苔やワカメは色落ちし、商品価値の低下も問題となっている。これらの課題を含め有明海の再生に関する報道や実地観察を通し、豊かな干潟が失われつつある現状を目の当たりにした。そこで、泥のヘドロ化を防ぎ、環境保全と地域漁業の再活性化を目指したいと考えた。
そのプランの実現手段・方法
本提案のコア技術は、現場処理によるヘドロ中の有機物の分解低分子化と、それに続く貝殻(干潟から回収)と微生物を利用したヘドロ浄化である。想定する製品は、2つのコア技術を組み合わせた浄化カプセルで、これを干潟に散布して浄化を行う。想定する顧客は、自治体、漁協、海苔養殖業者で、顧客から受託して浄化と効果のモニタリングを行う。当初は熊本県内の自治体(八代市、玉名市、長洲町など)とその地域の漁協、県内の海苔養殖業者に提案してスタートする。底質環境の悪化とヘドロは諫早湾、瀬戸内海、東京湾、伊勢湾、三河湾などでも問題になっており、将来は日本各地で水質・底質改善の実現に貢献したいと考えている。